第70回毎日映画コンクール 日本映画大賞はじめ5部門にノミネート】

第70回毎日映画コンクール(主催:毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社)の候補作・者が12月17日に発表され、
『野火』は日本映画大賞のほか5部門にノミネートされました。
ノミネートされたのは以下の部門です。

【日本映画大賞】       『野火』
【監督賞】          塚本晋也
【男優主演賞】        塚本晋也
【助演男優賞】        リリー・フランキー
【スポニチグランプリ新人賞】 森優作

各賞の発表は2016年1月下旬予定。
表彰式は2016年2月16日(火)にミューザ川崎シンフォニーホールにて。

詳細は毎日新聞webサイトで。 http://mainichi.jp/enta/cinema/mfa/etc/selection.html

【第10回KINOTAYO(キノタヨ)現代日本映画祭で批評家賞と最優秀撮影賞をW受賞‼️】

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(写真左より)塚本晋也監督、ソレイユ・ドール(金の太陽)観客賞(グランプリ)受賞の『味園ユニバース』小川真司プロデューサー、主演女優・安藤サクラさんが会長特別賞を受賞した『百円の恋』の武正晴監督

フランス・パリで開催された第10回キノタヨ日本現代映画祭(2015年11月24日〜12月10日)で、
塚本晋也監督『野火』が批評家賞とキャノン最優秀撮影賞を受賞しました。
W受賞は同映画祭史上初となります。
以下、塚本監督のコメントです。

キノタヨ映画祭に来た日本の映画16本の中に入れていただいたことが何より光栄と思っております。
フランスの多くの方に、自分の映画はもちろん今年の日本映画を知っていただくことができました。
映画祭の方々に感謝いたします。
どうしても今作らなければならない、と多くの協力者の力を借りて作った「野火」が、
その上2つもの賞をいただきました。
関わったスタッフたキャストも喜んでくれることと思います。
ありがとうございます。
                       塚本晋也

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批評家賞とキャノン最優秀撮影賞の審査員の皆様と

【ミューズ・シネマ・セレクションPart16参加決定!】

国内外で注目を集める日本映画の話題作を一挙に上映するミューズ・シネマ・セレクションで、
『野火』が上映されることが決定しました。
当日は、塚本監督によるトークイベント&サイン会も開催します。
『野火』にとっては所沢初上映となります。
ぜひお越し下さい。

ミューズ・シネマ・セレクションPart16 2016年3月19日(土)〜3月21日(月・祝)

『野火』
日時:3月21日(月・祝) 17:30  *上映後、塚本監督のトーク&サイン会有り
場所:所沢市民文化センターミューズ マーキーホール

詳細はミューズ・シネマ・セレクション

【第7回TAMA映画賞で特別賞受賞!】

【第7回TAMA映画賞・特別賞受賞のお知らせ】
”日本一早い映画賞”として知られるTAMA映画賞で、
塚本晋也監督、及び『野火』のスタッフ・キャスト一同に対して
特別賞を頂きました。

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受賞理由は以下の通りです。

「戦場での真の恐怖や痛みを今の観客たちに追体験させ、
幅広い世代の心のなかに強く深く永く刻まれる作品となった」

塚本監督は映画『KOTOKO』で第4回の特別賞を受賞しており、
2度目の栄誉となります。

TAMA映画賞関係者の皆様、
映画『野火』を応援して下さった皆様、
この場を借りて御礼申し上げます。  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「野火」は、何十年もの間作りたかった映画です。
自分の作品としては最も大きな規模になるはずでした。 
しかし、時は移り変わり、どんどん制作に入るのは困難に。
やがて”作りたい”から、”今作らなければ”という気持ちに変わっていきました。
その思いに共感してくれた熱いスタッフとキャストの力で完成した作品です。
ひとりひとりが未踏の地に足を踏み入れ、大きな壁を乗り越え、公開にまで至りました。
彼らにくださったこの賞は、何よりも輝かしい贈り物です。

                       塚本晋也

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【関連記事】
第7回TAMA映画賞授賞式 日刊スポーツオンライン (2015年11月21日配信)
第7回TAMA映画賞授賞式  映画ナタリー (2015年11月21日配信)
塚本晋也監督「野火」で特別賞 【第7回TAMA映画賞授賞式⑨】 東京散歩ぽ (2015年11月24日配信)

塚本晋也×今日マチ子 映画「野火」クロストーク <今、戦争について考えるということ> chatterbox (2015年12月17日配信)

今、戦争を描くということ 塚本晋也×今日マチ子×荻上チキ、TAMA映画フォーラム『野火』トークショー シノドス(2016年2月19日配信)

学生映画感想文コンクール優秀賞で、『野火』の感想文が優秀賞に!

北海道・札幌の映画館シアターキノの23周年記念企画として開催された「学生映画感想文コンクール」の受賞結果がこのほど発表され、学生部門優秀賞に『野火』をテーマにした北海道大学文学部2年生の佐藤颯(さとう・はやて)さんの作品が選ばれました。
同コンクールは、多彩な映画の魅力を知ってもらおうと、同館で公開された作品を対象に実施されたものです。
シアターキノさんのご厚意で、佐藤さんの感想文をここにご紹介させて頂きます。

肉塊のような映画だった。
すべてが剥き出しの混沌と、有無を言わせぬ説得力を もつ佇まい。
映画を観たというより「食われた」という衝撃。これはあらゆるも のを破壊する映画だ。
例えば戦争のイメージ。
灰色だと思いこんでいた戦争の風景は、レイテ島の木々や花々、空の色により一瞬でぬりつぶされてしまう。
例え ば人間の肉体。
腕が、臓物が飛び、頭が破裂し、飢えた兵士たちの肉体は腐乱していく。
そんな光景までもが画面に鮮やかな彩りを加えるのだ。
たいする戦地の 宵闇は吸い込まれるほど黒く、底なしであるのに。
そして人間の精神。
銃をつき つけられた現地人の咆哮が動物のそれと変わらなくなる瞬間。
すべてを失い戦地 をさまよう兵士が幽霊と近似する瞬間。
やがて飢餓の果てへ到達した兵士たち は、人間でも獣でもない「何か」になっていた。
これらはみな戦争のもつ破壊性 そのものなのだろう。
戦争は人間を極限まで現実から遠ざける。肉体のみならず、倫理も、言葉も、心をも殺す。
この映画はあらゆる死から目をそらさない。
人間性に先立たれた人間はただの肉塊にすぎないという事実をまっすぐにつきつけてくる。
映画を観る自分もまた同じ人間であるという事実、この地獄が実際に 存在していたという現実。
あの夜の暗さは、人間がもつ闇の深さそのものだったのではないか。
映画は戦争そのものではないが、この映画はまぎれもなくひとつ の「体験」としてある。
確かな痛みがあり、恐怖があり、記憶そのものに結実する。
ひとたび足を踏み入れればたちまち咀嚼され、死を知り、肉塊として生きていくしかなくなる。
それほどの覚悟をせまられる映画だった。
かつての戦争は体験できない。ましてこれから体験することがあってはならない。
映画は戦争そのものではないけれど、その恐怖を体感するには十分すぎるほどの絶望と説得力と、魂をそなえていたのが『野火』だった。
これは私たちの映画だ。
今こそ観られるべき映画だと思う。