トロント国際映画祭に出品決定

塚本晋也監督最新作「野火」、8月28日から開催されるベネチア国際映画祭コンペティション部門の出品が決まっているが、8月13日、同作品のトロ ント映画祭への出品も決まった。トロント映画祭は、カナダ最大の都市トロントで、毎年9月に開催される北米最大の映画祭。ベルリン国際映画祭、カンヌ国際 映画祭に次ぐ規模の来場者数を集める。塚本監督のほとんどの作品が上映されているが、今回はWAVELENGTHS部門での上映となる。

この部門のキャチフレーズは、<大胆で、映像的で、自立した考え方(独自の考察)によって、我々の映画に対する概念を広げてくれる作品>。塚本監督はベネチア映画祭の足で同映画祭に向かう。

2014 TIFF announces Wavelengths, Future Projections selections

塚本晋也監督「野火」、第71回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品決定

24日、日本時間18時、第71回ベネチア国際映画祭の正式招待作品が発表された。

日本からは、塚本晋也監督の「野火」がメインコンペティション部門での出品が決定。

塚本監督は、過去に、98年「バレット・バレエ」、99年「双生児」、2002年「六月の蛇」、2003年「ヴィタール」(招待)、2009年「鉄 男THE BULLET MAN、2011年「KOTOKO」と6回の同映画祭出品を経験している。そのうち「六月の蛇」でコントロコレンテ部門(現在のオリゾンティ部門)審査員 特別大賞、「KOTOKO」でオリゾンティ部門グランプリを受賞している。
メインコンペティションへの出品は、「鉄男THE BULLET MAN」以来、5年ぶり2度目。 北野武監督が「HANA–BI」でグランプリを受賞した97年には、日本人としては大島渚以来2人目の審査員に選ばれている。(ちなみに昨年の審査員は坂本龍一)05年に2度目の審査員を経験している。
昨年は、映画祭70周年記念の特別プログラム「Venezia 70 - Future Reloaded」に『捨てられた怪獣』を発表している。

「野火」は、大岡昇平の同名の戦争文学の映画化で、1959年に市川崑監督が一度映画化している。
第二次世界大戦末期。フィリピンに攻め込んだ日本兵の彷徨を、田村一等兵の視点で描く。 塚本監督はこの小説の映画化を20年間構想し続け、ようやく日の目を見た。来年に予定されている日本公開までじっくりと世界の映画祭を回り見せ込んでいく予定。
ヴェネチア国際映画祭は8月27日~9月6日開催。受賞結果は現地時間9月6日発表。

【コメント】

20年前から構想し続けた作品でベネチアに参加出来ることを嬉しく思います。
戦争の恐ろしさを描いた大岡昇平さんの原作小説の映像化は国内での製作は困難を極め、なかなか出資者が集まらず、結果、自主製作することになりました。
そんな作品が最古の映画祭のコンペティション部門に選ばれたこと、なおかつ、この時期に世界に発信出来ることの意義をひしひしを感じています。

原作:大岡昇平「野火」
出演:塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也
監督・脚本・編集・撮影・製作:塚本晋也
配給:海獣シアター

2015年公開予定。 スチール写真は以下からダウンロードできます。

メインスチールDL