2023年11月に最新作『ほかげ』を公開した塚本晋也監督が、戦後70年に当たる2015年に初公開し、これまで71年、72年、73年、74年、75年、76年、77年、78年と毎夏かかさず上映を重ねてきた『野火』が、いよいよ10年目を迎えます。今年も終戦記念日を中心に、渋谷・ユーロスペースほか全国にてアンコール上映を行う運びとなりました。未だ世界で戦禍が止まぬ中、スクリーンを通して戦場の恐ろしさを体感し、戦争と平和について考えていただきたいと考えております。今年は渋谷・ユーロスペースでのトークに塚本晋也監督とリリー・フランキーさんの登壇が決定、小倉昭和館では黒田征太郎さんとのトークが決定しております。
2023年11月に終戦直後を舞台に民衆の目線で戦争を描いた最新作『ほかげ』を公開し、国内外で数々の賞を受賞した塚本晋也監督が、戦後70年にあたる2015年に初公開した『野火』。構想から20年の歳月をかけ完成させ、2014年にヴェネチア映画祭メインコンペティション部門出品、翌年に全国83館で劇場公開。その後も、製作当初から「『野火』を毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という塚本監督の思いに共感した劇場にて、毎年アンコール上映を重ねてきた。
初年度からの劇場・自主上映含む総観客数はおよそ9万9500人にのぼり、10万人突破も目前に迫っている。ついに公開から10年目となる戦後79年の今年も渋谷・ユーロスペースを中心に全国30館の劇場で上映が決定。(7月19日現在)各劇場の上映予定、イベント予定等実施の詳細は劇場HP、『野火』オフィシャルサイト・SNSにて随時発表する。
今年は渋谷・ユーロスペースのトークに塚本監督に加えて、リリー・フランキーさんの登壇も決定!さらに小倉昭和館では故野坂昭如さんの著作『戦争童話集』の絵本を手がけたイラストレーターの黒田征太郎さんと塚本監督とのクロストークも開催する。
【塚本監督からのコメント】
戦後70年から上映を開始した「野火」。 毎年30館以上の映画館さんが夏の終戦記念日を中心に上映をし続けてくださっています。 1年1年の積み重ねでしたが、こうして振り返ると早10年。10年も「野火」を上映してくださるなんて、思えば驚くべきことです。この映画を大切に思ってくださった劇場さん、そして観に来てくださったお客さまに心より感謝します。
さて、10年経過しましたが、世の中への不安は相変わらず募るばかりです。 果たして「戦前」とまで言われ始めた今の状況は、後戻りできるところにいるのでしょうか。そんな中でも、祈りの気持ちは確実に多くのお客さまの心の中に住むことができたと思っております。 どうか「野火」に込めたこの祈りが、忘れ去られることのないようにと強く願うばかりです。 10年もの間、本当にありがとうございます。
極限の状況下での人間の姿を描き、戦争の恐怖をあぶり出した『野火』。戦争の終わらなさを描いた最新作『ほかげ』とあわせ、また10年の世の中の流れを振り返りつつ、観客のみなさまにぜひご覧いただきたい。そして、未だ世界で戦禍が止まぬ中、劇場で戦場の恐ろしさを体感し、戦争と平和について考える機会にしていただきたい。
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