原作:大岡昇平 生誕110年 × 監督:塚本晋也 劇場映画デビュー30年 公開5年目を迎えた『野火』は令和初の夏もスクリーンに帰ってくる!!

2018年11月に最新作『斬、』を公開した塚本晋也監督が、戦後70年、71年、72年、73年と上映を重ねてきた『野火』。初公開から5年目を迎えた今年も終戦記念日を中心に、渋谷・ユーロスペースほかにて戦後74年のアンコール上映を行わせていただく運びとなりました。元号が平成から令和に変わり、歴史的には新しい時代の幕開けとなりましたが、引き続き映画『野火』を通して戦争を体感していただくことで、戦争の恐ろしさを繰り返し記憶にとどめていただく機会にしていただければと考えております。


2018年に最新作『斬、』がヴェネチア映画祭メインコンペティション部門に選出され、11月に全国にて劇場公開された塚本晋也。今年2019年は平成の幕開けとともに鮮烈な劇場デビューとなった『鉄男』(89)から30周年を迎え、先月ドイツで開催された第19回ニッポン・コネクションでのニッポン名誉賞受賞や7月に米NYジャパン・ソサエティー主催の第8回カット・アバブ賞の受賞が決定するなど、これまでの功績が世界で称えられている。

そんな塚本監督が構想から20年の歳月をかけ完成させ、2014年にヴェネチア映画祭メインコンペティション部門出品、戦後70年に当たる翌2015年に全国83館で公開した映画『野火』。製作当初からの「『野火』を毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という塚本監督の思いに共感した劇場にて、これまでアンコール上映を重ねてきた。初年度からの劇場・自主上映含む総観客数はおよそ9万人にのぼる。公開から5年目となる戦後74年の今年も渋谷・ユーロスペースを中心に全国30館の劇場で上映が決定。(6月21日現在)初上映となる劇場も多数あり、昨年よりも公開館数は増える見込み。

今夏のアンコール上映に先行して、7月21日(日)には川崎市市民ミュージアムにて、塚本晋也監督と映画監督でプロデューサーの岡本みね子氏のトークイベントが決定。本イベントは同月27日より川崎市市民ミュージアムにて「独立プロが描く平和への願い」と題し、同館の所蔵品である独立プロダクションの作品を中心に、戦争と真摯に向き合うために自主製作という形で生まれた作品を特集上映する企画のプレイベント。対談の前には『野火』のメイキング映像として、戦争体験者の声、撮影風景、映画祭、全国の劇場行脚の様子を通し戦後70年という重大な年を浮き彫りにする60分の濃密なドキュメンタリー「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」が上映される。同日に岡本喜八監督の『肉弾』(68)も鑑賞の場合は入場無料。

また終戦記念日の8月15日には、NHKラジオ第一放送の終戦の日特集企画「高橋源一郎と読む『戦争の向こう側』~2019年~」に塚本晋也監督がゲスト出演する。


【塚本監督からのコメント】

戦後70年で公開しました『野火』。そのときすでに戦争にいかれた方々はほぼいらっしゃらなくなり、戦場での恐ろしいできごとが忘却の彼方に消し去られようとしていました。

それから丸4年。記憶はさらに遠くなり、戦争で起こったことはさらに遠くへ押しやられ、戦争の痛みを想像することができずにその道に突き進んで進んでしまうことへの不安を感じます。さまざまな考え方がありますが、まずは『野火』を見ていただき、戦争の実際の恐ろしさを体で知っていただくー。その必要を感じています。
常に考えていなければいけないことではありますが、せめて1年に一度、戦争で起こったことを想像していただく機会にしていただけたら、と思います。そこには絶対近づかないようにするためにー。

ぜひ、劇場の大きなスクリーンと音響で、体感してくださいませ。

塚本晋也


今年は「野火」原作の大岡昇平さんの生誕110年にあたる。本作が公開された「戦後70年は、実際の戦争に行かれた方々がほとんどいらっしゃらなくなった年。戦争の痛みを知る方々が少なくなるにつれ、戦争に近づいてしまうという恐れを実感する。」と塚本晋也監督は繰り返し語ってきた。そこから時代はさらに進み、元号が平成から令和となってはじめての終戦記念日を迎える。改めて劇場の大きなスクリーンで、大きな音響に包み込まれ、『野火』があぶり出す戦場のリアリティーを体感してほしい。

随時更新!上映劇場はこちらのページでご確認ください。

《戦後74年の『野火』アンコール上映関連情報》

◆塚本晋也×岡本みね子 トーク開催 川崎市市民ミュージアム特集記念上映プレイベント
■日程:7月21日(日)
■会場:川崎市市民ミュージアム(神奈川県川崎市中原区等々力1-2)1F映像ホール
■プレイベント概要
11:00―『肉弾』(岡本喜八監督作品)上映
14:00―上映+トーク
上映作品:塚本晋也解説『野火』20年の軌跡(『野火』メイキング)
トークゲスト:塚本晋也(映画監督、俳優)×岡本みね子(映画監督、プロデューサー)
お問い合わせ先:川崎市市民ミュージアム TEL:044-754-4500

◆塚本晋也監督ゲスト出演!ラジオ第一放送 終戦の日特集企画
「高橋源一郎と読む『戦争の向こう側』~2019年~」
■放送日時: 8月15日(木) 夜08:05~9:55
■番組内容
まもなく、戦争を体験した人から話を聞くことが出来ない時代がやってくる。しかし、文芸作品は「戦争の向こう側」を様々な角度から、常に描き出してきた。終戦の日、希代の読書家であり、本の目利きである高橋源一郎さんが「戦争の向こう側」を描いた書籍を選び、朗読する。スタジオには、様々なゲストを迎え、語り合う。そこには、記憶に埋もれた、知らなかった「戦争の姿」や「隠された傷跡」がありありと、浮かび上がる。聴く者が皆、本を読む醍醐味と共に、戦争が惹き起こす“悲劇”を胸に刻む2時間。今年は「戦後の物語」を通じて「戦争による精神的・社会的トラウマ」に焦点を当てる。
番組ホームページ

◆メイキング「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」一部劇場にて同時上映
塚本監督が10代に小説と出会ってから映画化へを克明にとらえたドキュメンタリー。戦争体験者への取材、撮影、完成を経てヴェネチア映画祭のプレミア上映、劇場公開時の映像を通して「野火」の全体像に迫る。
監修/構成:塚本晋也 演出/編集:長岡広太 2015年/60分

◆石川忠×中村達也 『野火』上映記念ライブ映像 一部劇場にて同時上映
『野火』初公開時のイベントにて実施された石川忠と中村達也の共演ライブを複数のカメラにより撮影した迫力の映像。塚本作品の現場で照明スタッフとして経験をつみ、監督デビュー作『FORMA』(2013)が第64回ベルリン国際映画祭フォーラム部門国際批評家連盟賞を受賞した坂本あゆみが手がける。
監督:坂本あゆみ 2015年/30分

2月9日(土)~14日(木) 伊勢進富座・塚本晋也監督特集

三重県の伊勢・進富座さんでは、2月9日(土)~14日(木)の6日間限定で塚本晋也監督特集として、『斬、』と『野火』の上映をいたします。2作品が同じ劇場で同じ日にご覧になれるのははじめてです。この機会にぜひご来場ください。

伊勢・進富座

『斬、』10:00/13:20
『野火』11:35

ぜひ続けてお楽しみください!

塚本晋也監督舞台挨拶のお知らせ@アップリンク吉祥寺

『野火』の全国上映劇場がまたひとつ増えました。吉祥寺に12月に新しくオープンした映画館、アップリンク吉祥寺さんの オープニング企画 #見逃した映画特集FiveYears にて1月4日(金)~1月10日(木)の期間『野火』の上映がございます。
このたび1月4日(金)塚本晋也監督の舞台挨拶が決定しました!

日時:1月4日(金)12:10の回上映後
場所:アップリンク吉祥寺
登壇者:塚本晋也監督(予定)
料金:通常料金(一般1,300円)

チケット発売
1月1日(火・祝)22時より会員先行発売
1月2日(水)朝10時より一般発売

劇場オフィシャルサイト

みなさまのご来場お待ちしております!

爆音映画祭in松本で2018年最後の『野火』上映!

12月7日(金)より開催されます爆音映画祭2018in松本にて12月8日(土)『野火』の爆音上映がございます。同時上映の石川忠さんと中村達也さんの『野火』上映記念ライブ映像も爆音でご覧いただけます。前日のオープニング上映では新作『斬、』の初爆音上映も!お近くにお住まいのみなさま、ぜひお出かけください。

爆音映画祭2018in松本

会場:まつもと市民芸術館 小ホール
長野県松本市深志3-10-1(専用駐車場はなし)

『野火』上映日:12月8日(土)

10:30の回  (87分) ★塚本晋也監督のトークあり!

同時上映:石川忠×中村達也『野火』上映記念ライブ映像
『鉄男 TETSUO』(1988)以来ほとんどの塚本作品の音楽を手がけ、2017年12月21日に惜しまれつつ逝去したメタルパーカショニストの石川忠と本作にも出演するBLANKEY JET CITYのドラマー中村達也の共演した30分にわたる『野火』上映記念ライブ映像も公開。塚本晋也監督の現場で経験をつんだ『FORMA』(2013)の坂本あゆみが手がけました。

★ライブ映像→塚本晋也監督ゲストトーク→『野火』の順で上映します!

【登壇者】塚本晋也監督(予定)

前日には新作『斬、』の上映もございます。

『斬、』上映日:12月7日(金)オープニング上映

19:30の回

上映後アフタートークあり ★サイン会もあり

【登壇者】塚本晋也監督(予定)

監修/boid 樋口泰人
主催/NPO法人コミュニティシネマ 松本CINEMAセレクト (問)TEL:0263-98-4928
共催/一般財団法人 松本市芸術文化振興財団

★爆音上映とは
「爆音上映」は、音楽のボリュームが大きくなるだけではありません。それぞれの作品に適正する機器を投入し、音質、強弱のバランス、ヘルツ数を、作品にあわせて繊細に調節することで、そのホール空間だけがつくり上げる独自の音のストーリーが表現されます。
使用楽曲の詳細はもちろん、会話、環境音、自然音…通常の音響システムでは聴こえていなかったはずの「映画の音」の存在が映像と多層に響き合う。それは新しい鑑賞の体験となって記憶に刻まれるでしょう。この機会をお見逃しなく、松本シネマセレクトがお届けする爆音作品をお楽しみください。(爆音映画祭2018in松本フライヤーより)

2018年の『野火』納めは爆音映画祭in松本で!

メイキング&石川忠氏ライブ映像も!『野火』は今年の夏もスクリーンに帰ってきます!

2018年11月に新作時代劇『斬、』の公開を控える塚本晋也監督が、戦後70年、71年、72年と上映を重ねてきた『野火』。今年も終戦記念日を中心に、渋谷・ユーロスペースほかにて全国上映を行わせていただく運びとなりました!戦後73年に当たる現在においても引き続き映画『野火』を通して戦争を体感し、問題提起をしていく場になればと考えております。さらに今年は本作の全容に迫る濃密なメイキングと昨年逝去された石川忠氏の『野火』上映記念ライブ映像の上映が一部劇場にて決定しています。

2014年、ヴェネチア映画祭メインコンペティション部門選出、戦後70年に当たる翌2015年に全国83館で公開され、第89回キネマ旬報ベスト・テン「日本映画ベスト・テン」第2位、第70回毎日映画コンクール監督賞&男優主演賞をW受賞するなど好評を得た塚本晋也監督&大岡昇平原作の映画『野火』。塚本監督の製作当初からの「『野火』を毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という思いに劇場側も共感し、これまでアンコール上映を重ねてきました。また塚本監督自身が各地の劇場で観客との対話も重ね、初年度からの劇場・自主上映含む総観客数は8.5万人にのぼります。

戦後73年の今年も渋谷・ユーロスペースを中心に全国27館の劇場で上映が決定。(7月3日現在)ユーロスペースはじめ14館の劇場で監督の舞台挨拶も実施予定です。

今年は本編に加え、60分のメイキング「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」も上映が決定。戦争体験者の声、撮影風景、映画祭、全国の劇場行脚の様子を通して、戦後70年という重大な年を浮き彫りにする濃密なドキュメンタリーに仕上がっています。

さらに『鉄男 TETSUO』(1988)以来ほとんどの塚本作品の音楽を手がけ、2017年12月21日に惜しまれつつ逝去したメタルパーカショニストの石川忠と本作にも出演するBLANKEY JET CITYのドラマー中村達也の共演した30分にわたる『野火』上映記念ライブ映像も公開。塚本晋也監督の現場で経験をつんだ『FORMA』(2013)の坂本あゆみが手がけました。劇場の音響で体感できます。

また生前の石川が心血を注ぎ完成させた劇中使用の全16曲音を収録した『野火』オリジナル・サウンドトラックも初リリースが決定。一般発売に先駆けて、『野火』上映劇場にて先行販売が実施されます。

今夏の『野火』戦後73年アンコール上映に先行して、7月8日(日)には早稲田大学大隈小講堂にてシンポジウム「映画監督と時代」が企画されており、パネラーとして塚本晋也監督が登壇します。メイキングも特別に先行上映いたします。

今年11月24日には自身初の時代劇にして生と死の問題に迫る衝撃作となる最新作『斬、』の公開を控える塚本晋也監督が、究極の状況下での人間の姿を描き戦争の恐怖をあぶり出した『野火』。はじめての方も、今一度の方も、ぜひスクリーンでご体感ください。

【監督からのコメント】
戦後70年の初上映のとき、すでに兵隊として戦地に行かれた方はほとんどいらっしゃらなくなり、戦地のほんとうの恐怖を知る機会が少なくなりました。戦争の恐怖。それを知ることが、戦争に近づかない一番の方法だと思います。
これからも、大きなスクリーンで、体験としての「野火」を味わっていただきたいと思います。

『野火』 戦後73年アンコール上映劇場こちらのページでご確認ください。

《戦後73年の映画『野火』関連情報》

●メイキング「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」劇場にて同時上映
塚本監督が10代に小説と出会ってから映画化へを克明にとらえたドキュメンタリー。戦争体験者への取材、撮影、完成を経てヴェネチア映画祭のプレミア上映、劇場公開時の映像を通して「野火」の全体像に迫る。
監修/構成:塚本晋也 演出/編集:長岡広太 2015年/60分

●石川忠×中村達也 『野火』上映記念ライブ映像 劇場にて同時上映
『野火』初公開時のイベントにて実施された石川忠と中村達也の共演ライブを複数のカメラにより撮影した迫力の映像。塚本作品の現場で照明スタッフとして経験をつみ、監督デビュー作『FORMA』(2013)が第64回ベルリン国際映画祭フォーラム部門国際批評家連盟賞を受賞した坂本あゆみが手がける。
監督:坂本あゆみ 2015年/30分

●『野火』オリジナル・サウンドトラック初リリース!劇場にて先行販売
石川忠による『野火』劇中使用の全16曲を収録したオリジナル・サウンドトラックが4年のときを経て初リリース。塚本監督による『野火』と石川忠への想いを込めた3000文字を超えるライナーノーツ付き。一般発売に先駆けて、『野火』上映劇場にて先行販売。
タイトル 野火 オリジナル・サウンドトラック
アーティスト名 石川忠
価格 未定/レーベル名:KAERU RECORD/品番:CHU-001
最新情報・お問い合わせ先:石川忠WEB http://ishikawachu.xyz

●映画監督が「映画と時代」を語るシンポジウム 7月8日(日)12:30開演
早稲田大学大隈小講堂にて「きけ、わだつみの声」(関川秀雄監督/1950年/109分)と「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」(塚本晋也監修・構成/2015年/60分)の上映とシンポジウム「映画監督と時代」を実施。塚本晋也監督がパネラーとして登壇する。日時:7月8日(日)12:00開場/12:30開演 会場:早稲田大学大隈小講堂《入場無料》パネラー:塚本晋也(映画監督)、鎌仲ひとみ(ドキュメンタリー監督)、藤山顕一郎(映画監督)、野中章弘(ジャーナリスト)、大久保賢一(映画評論家)ほか 司会:小中和哉(映画監督)主催:自由と生命を守る映画監督の会,早稲田大学ジャーナリズム研究所
問い合わせ先:仲倉(090-2648-6978/asimov246103@docomo.ne.jp